近年、事務所への相談が急激に増えてきたのが税金や国保料(税)の滞納相談です。

顕著に増えだしたのが、平成19年の消費税法改悪です。
このとき、当時3千万円だった免税点が1千万円に引き下げられ、簡易課税の対象が2億円から5千万円に引き下げられ、それまで消費税の対象にならなかった零細業者にまで重い消費税負担がのしかかりました。

このことにより、滞納する業者が増え2009年新規発生滞納は、税額で全科目の50%におよび、その件数は683,430件、単純計算で課税事業者の20%が消費税の滞納に苦しめられています。

税金の滞納で大きな問題は、差し押さえです。

ある建設関係の業者さんは、売上の激減に加え消費税が重くのしかかり、税金を支払うために借金を繰り返し、借り入れも限界にきた時、税務署が家と土地、売掛金の差し押さえしてきました。
売掛金を差し押さえられると、廻っているお金が廻らなくなり倒産してしまいます。
そこで、人伝手に民商を知り駆けこんできました。
当初、税務署は納税の猶予の申請に否定的でしたが、異議申し立てや民商の役員さんも多く駆けつけ口頭意見陳述をみんなで行い、税金でつぶされてたまるかと闘い抜き、倒産せずに営業することができています。

2_2_7民商では、消費税改悪のときからスピーディーに滞納問題に取り組み、「納税の猶予」の申請を集団で行い大きな成果をあげています。
申請では、換価の猶予などで延滞税を16.4%から4%台まで引き下げ、分割の納税を勝ち取り、この間の差し押さえをできなくさせるなど安心して営業ができる環境をつくっていきます。

誓約書や口頭で分納という話をよく聞きますが、誓約書は法定文書ではなく民法の規定の枠内で行うもので、誓約書があることで差し押さえをさせないということにはならず、延滞税も現行の16.4%のままです。
また、預金通帳の差し押さえなどは少額であれ銀行との取引停止につながるなど、営業に大きな損害を被ることになります。

地方税などは、国に準ずるとなっており「徴収の猶予」申請書というものがあります。
払えない場合は、きちんと税法にのっとり申請をすることが、安心して営業できることに繋がるのです。
納税(徴収)の猶予をみんなで申請して、この厳しい時代を乗り切りましょう!

事務局員 青山 徹也