納得のいかない処分には「不服申立て」を(②)

201209納税者の権利 (35)異議申立て

更正及び決定の通知に不服がある場合は、第一段階としてその通知を受け取った翌日から計算して2カ月以内に、処分をした税務署長に対し書面で「異議申立て」を行います。

異議申立てを受けた異議審理庁(税務署長)は、更正処分決定などが適法なものか、適正な課税であるかを審理します。

これは、処分が正しいかどうかを再検討するためのものですから、申立人(納税者)の帳簿や、取引先を再度調査するものではありません。

また、「口頭意見陳述」や「納税の猶予」の手続きもできます。納税者に有利な手続きは最大限活用するようにしましょう。

次に異議審理庁は、異議決定を行いますが、 この決定には①申立てそのものが不適法であるとの「却下」②申立てに理由がないとする「棄却」③処分の一部又は全部を取り消す「取り消し」――の3つがあ ります。どの場合においても税額を増やすとか、加算税に変更するなどという申立人の不利益になる処分を行うことはできません。

最近の異議決定の結果は、納税者の主張を認めた「一部」あるいは「全部」の取り消しの比率が高くなっています。

申立て後3カ月を経過しても異議審理庁が異議決定を行わない場合は、審査請求ができます。


201209納税者の権利 (36)審査請求

異議決定に納得できないときは、国税不服審判所長に、審査請求をすることができます。請求できる期間は異議決定通知を受け取ってから1カ月以内です。

国税不服審判所長は、異議審理庁から処分についての答弁書を出させ、副本を審査請求人(納税者)に渡します。請求人はこの答弁書への反論と、税務署長が保持している資料の閲覧、質問・検査を申し立てることができます。口頭意見陳述もできます。

国税不服審判所を創設した第63国会 (1970年)では「その独立性を高める。質問検査権の行使に当たっては権利救済の趣旨に反しないよう十分に配慮すること。新たな脱税発見のためではない ことを厳に銘記の上、納税者の正当な権利救済に努めること」と決議しています。この国会決議に沿った運営を強く求めましょう。

審判所は審査した結果を決定し、請求人に通知します。これを裁決と言い、却下、棄却、全部又は一部取り消しの3つがあります。

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税金裁判(訴訟)

不服審判所の採決に不服がある場合は、採決を知った日の翌日から6カ月以内に裁判所に取り消しを求める裁判を起こすことができます。

    • 異議申立て・審査請求のたたかいについては全商連発行の「不服審査と納税者の権利」パンフをよく読み、力にして下さい。