帯広での大学誘致は様々な理由で、医療関係の学部の設置を望む動きがあります。
ですが医療系の学校設置の利点に敢えて目をつぶって、私はこう言いたいと思います。「文学部(文化系学部)じゃダメですか」と。

文系の大学で学ぶことはどんな事でしょうか。それは突き詰めていくと「人間とは何か」という事だと思います。大都市ではなく地方で、例えば倉本聰さんの「富良野塾」のようにローカルならではの「人間とは何か」を学ぶ場が必要であり、求められていると思います。

それでは大学の文系学部が北海道の地方都市で息づいていく素地があるでしょうか。私は有ると思います。とくに十勝では演劇や合唱で優れた成績を残す高校生達がよく新聞に載っていたり、市民の皆さんの自然を対象とした写真や絵画の活動や陶芸、工芸も盛んです。市民参加型の開かれた文科系大学のニーズが存在しているのではないでしょうか。また「文化の地産地消」という考え方も面白いかもしれません。

具体的な提案としてまずは大都市の大学の基礎課程(1~2年生)のキャンパスを招くのはどうでしょうか。多感な青年期に十勝の自然の中で「人間とは何か」を学び、自分の未来について深く考える。とても有意義な学生生活になると思うのですが。

事務局 佐藤太市